ランドセル

息子がランドセルをもう使わなくなる日に、次女のランドセルが届く。それまで一輪車と自転車で家の庭先で遊んでいた黄昏時、妻が「ランドセル来たよ」と次女にいうと長女も次女もそれらをほったらかしてランドセルの箱を開け始めた。ジャスミン・イエローの色。見本市で彼女が決めた色。うれしくて鼻の下が伸びている。早速背負っている。彼女らしい色だ。

長女も自分のランドセルをもってきて、中が入ったらもっと重いんだぞと先輩なりのアドバイスをしている。お気に入りのピスタチオ・グリーン。これも、彼女らしい色だ。息子のランドセルもたまにつかえば?と提案するが妻によると「そうしたらぜったい忘れ物する」とのこと。

長女としては次女に卒園・入学と注目が集まるのがやや面白くないようで、あとですねていた。彼女も2年前は一人で主役だったのだからいいじゃないかというが納得できないようす。息子のランドセルが一番やわらかく、痩せていた。ランドセルは使われるとどんどん小さくなるのか。

校長先生が「口に出すから、願いは叶う」といっていたが、あれは名前もきっとそうなのだろう。長女の名前はもう長女にぴったりな気がするし、次女もしかり。産まれてから繰り返し名前を呼ぶから、名前が馴染む。ランドセルもそうなのだろう。それぞれのカラーで、揃って登校するようになる。一人出たら、また一人入る春。楽しみだ。