フライパン世界

いろいろここまでかっていうくらい便利な世の中になって、さらなる進化を目指している。

コミュニケーションは簡単に垣根なく人とつながれるようにもなって、サッサとスクロールして匂いも温度もない情報となって知ってる人知らない人の近況を読み飛ばす。刺激がないと指は止まらない。てなわけで、ぐわーっと熱くなり、すぐ冷める。フライパンみたいな世の中になってきてないかな。刺激はどんどん強くならないと感じなくなるからやっかいだ。身体を離れた情報はかんたんに肉体の限度を超えちゃう。

 

いっけん何も変哲もない、刺激の小さなものに価値を感じて面白がる。スクロールしながらも、そんな感性をあらためて養いたい。それができたら日常が落ち着いて、静かで、安らいだものになって、実りのある生をかみしめられるんじゃないか。つまらないをつまらないでおわらせない。どうすれば面白くできるか。

消しゴムより、鉛筆でありたい。あるものをなんかするより無から有を生む方が楽しい。人生そういうふうにできている。だれにとっても限られた人生の時間。視野広く、顔を上げて世界をみて、自分は何が好きで夢中になれるかを探して、毎日一生懸命、生を謳歌するんだ。フライパンではなく、大地に根ざせ。