「ねえ、大人って飲み会でじゃべるやろ。話すことなくなったりせんの?」(息子)
昨日家のダイニングで大人4人がワイワイ酔っ払いながら話すのを横で聞いていたからか、ぼくが帰宅するなり質問してきた。
彼が下校時とかに友だちと帰るときに、話すことがなくなることがしばしばらしい。
「ぼくらシリーズ、読んだ?」
「うん」
で終わったりするそうだ。実に少年っぽい。
「たまにあるけど、あまりない。父ちゃん話すの得意だから。質問すればいいんだよ。話そうとするんじゃなくて。」
とはいえ、息子も質問はしている。話題を広げる技術をまだ持たないのか。
沈黙はそれなりに気まずさを感じる年頃らしく、なにか話をしたいけど、思いつかないらしい。
「ゲームの話になってしまったら、おれはダメだから」
ゲームもない、テレビもない。友だちがその話題になると、彼は黙っているらしい。
「おれはもうなれた」
悲壮感や寂しさはなくカラッとしている。彼が家でyoutubeとかみるのは、そんな輪に入る手がかりを見つけるためなのかもしれない。
「おれ、だいたい聞いてるよ」
自分からは話すより、聞いてることのほうが多いようだ。輪に入りきらず、横でだまって歩いている息子を想像してみる。すこし申し訳ない気持ちになる。拗ねることもグレることもなく、「そんなもん」として受け入れてあっけらかんとしているのに救われる。
ツール・ド・フランスのことを調べて自学のノートに書いている。サッカーは11月末まで続けるそうだ。今日はチームの半分、6点ゴールを入れたと喜んでいた。