心配しすぎ

相変わらず息子は自転車の話ばっかりなのであるが、今日公文に行く途中で「すごくこわいこと」があったそうだ。公園で走っていたら、膝にでっかいハチがとまっていたのに気づいたという。2秒くらいで飛んでいったらしい。「あればちょっとパニックになったわ」とのこと。

真っ先に転んだりして、痛い目にあってほしくないと心配になる。「そういうときは、視野が狭くなるから、まず止まれ」と言葉がでる。

「スピードは落としたけどね」

「怪我なくて、刺されなくてよかったな」

「うん」

 

ついこないだのこと。彼が初めて一人で自転車で出かけ、で公文に向かい、英語教室をハシゴするといういった。終わりの時間に、英語教室の前までぼくも自転車でいって迎えにいくことにした。

教室の前で待機していると、迎えに来ていることを知らない息子がそそくさと自転車にまたがり、ピューッと反対方向に走っていった。追いかける。

いままでみたことのないくらい早いスピードで走っていって、追いつけない。しかも細い道路の真ん中を走っていて、後ろから困った車に煽られている。

彼がぼくとサイクリングにいくときは、その半分くらいのスピードで、曲がり角は止まるし、お行儀が良い。小さいころから安全運転だけはしろと叩き込まれ、守らなければ雷が落ちる。命に関わるので厳しくした。

ところがだ。今ぼくの目の前にいる彼は別人のように交差点も左右は見るもののシューッと走りさる。危険だとは感じないが、なるほどもう彼は父の前と一人のときと使い分けているのだなと痛感する。

まったく追いつけず差が広がるばかりだ。上り坂に差し掛かり、前から下校の中学生がシューッとこれまた猛スピードで駆け下りてくる。ややドキっとする。止まって、脇にそれる息子。

その間に差を縮めようとすると、後ろを振り向く。そしてぼくに気づく。

「ヘルメット、忘れた」

もう道中は3分の1くらいのところまで来ているが、「戻るか?」というと「うん」と一緒に走り出す。するとゆっくりとした「いい子」の運転に戻っている。

無事ヘルメットを教室で回収。帰り道にいろいろ今日の話を聞く。ぼくが私が300円は公文と英語教室の間の待ち時間にコンビニに寄ってアクエリアスを買ったこと。時間がまだあったので近くの公園でジャングルジムで遊んでいたら、ジャングルジムは立方体の集まりではなく、ところどころ辺にあたる棒が抜けていることに初めて気づいたこと。自転車に飲み物ホルダーがあったほうがいいこと。

ぼくはどうしても心配になり、道の真ん中を走らないこと、中学生に気をつけることをまた口うるさくいう。

息子は「いい子」のままで、そのまま家についた。家について妻や娘たちの前で、一連のことを話しながら「こいつ、父ちゃんに気づいたら安全運転で、そうじゃなかったらピューッと走っとる」と不満をいうと、心当たりがあったのだろう「エヘヘ」と息子も笑った。

 

今夜は9回背中がポキポキなった。