鴨の生活

梅雨が明けた。メルのそばで日中過ごす。暑くなったからか、小さな水場に身体を入れることがお気に入りになった。水場にいってジャブジャブして、また出て朝庭をウロチョロして虫などをついばみ、また水場に返ってくることを繰り返す。ときどき「メル」と呼べば返事をするし、自分でちゃんと帰ってくる。初代メルはどこでも見境いなく行くのであぶなっかしくて放任はできなかったが、この三代目メルは芝生、我が家の敷地からなかなかでない。だから朝庭と中庭の間の扉もずっと開けっ放しにしている。ウンチも庭でしてくれたほうが片付けが楽になる。

にしても、鴨は見飽きない。歩いて食べて、ウンチして寝る。ただそれだけである。そのシンプルさが羨ましい。そして、攻撃的なところが全くない。もちろん食物連鎖として、生き物を食べることはある。それ以外は狙われはすれど、縄張り意識も希薄だし、丸いクチバシの形にあらわれているように傷つけず、穏やかである。仲間をみつけたら一緒に群れる。実に平和な生き物だ。

言葉は通じなくとも、すっかり分かりあう気になっているかけがえのない存在である。長女は「メルちゃんの小屋をつくって、そこでたくさん飼いたい」といっていた。同感である。