背中踏み

「最近、遅いね」と息子。家に帰ると息子だけが起きて宿題をやっている。お風呂にメルを入れる。産毛をドライヤーで乾かしてやる。寝る前に背中を踏んでもらう。疲れていたのか、いつも以上に背骨がポキポキなる。「10回もなった」と喜んでいる。もう完全にぼくのパーソナルマッサージ師で、ぼくの背中のどこがツボでどう踏んだらほぐれるかを心得ている。その道8年くらいになろうか。でも、彼の体重がどんどん重たくなって、ぼくの背骨や肋骨がどこまで持つか心配になってきた。

仕事で帰りが忙しい父ちゃんを見るのは珍しいのだろう。

「でもみんなは、普通の時間なんだよね、これが。」

「そんなことないわ。みんながみんな22時まで働いてはない。」

父ちゃんは世間一般より働いていないのをよく分かっているから、働きぶりを過小評価している。むりもない。

仕事を優先させて、月に1度のサッカーのゲームデーを見ることができなかった。無念であるが、東京からのお客さんでどうしてもじっくり話をしなきゃいけなかったから、仕方がなかった。あとゲームデーは4回か。シュートを3回外してくやしいが、2回シュートをブロックして、1点はゴールを決めたらからプラスマイナスゼロだという話、カカトを蹴られて痛かった話などをしてくれる。

寝不足にマッサージ、気持ちよくて、そのままぼくも息子の布団で寝てしまっていた。