ランドセル

妻が来春の次女のためのランドセル発注に戦々恐々としはじめた。長男と長女が頼んだところに次女も頼むのが既定路線で、ほんとうは今月、出張見本市があるはずだった。そこで注文し、半年以上まって、ランドセルが届く。当然だがその見本市は延期。オンラインでの注文になるらしいが、大きな買い物である。何色にするかは実物を見て決めたい。

instagramで発信されているらしいから動画をみながら、イメージを膨らませるが、やはり決めきれない。次女はご多分にもれず薄紫色がいいと最初はいうが、他にもどうも黄色系が気になるらしい。長女も薄紫色がいいといいながら、見本市でピスタチオグリーンに一目惚れして、今でも気に入っている。それがあるから、やはり実見したい。

「お金持ちだったら、全色注文して、『好きなのを選びなさい』ってできるんだけどな」と冗談をいうと、長女が「わたし、そういう夢みたことがある」と告白。

いろんな色のランドセルを持っていて、その日の気分で何色にするかを決めて登校する夢だったそうだ。他の友だちに貸したりもしていたらしい。

どうせ9月以降の入学に仕切り直しがされるだろうとぼくは楽観視しているから焦ってないのであるが、万が一4月入学のままでも、中学生になる息子のランドセルを暫定的に使えばよかろうというナイスアイデアを思いつく。どうせ小学校1年生は黄色いカバーがつく。

妻からするとカバーが配られる前の入学式の1日だけが気になるようだ。その日は黒いランドセルになる。わからなくもないが、黒は黒で「アリ」だと思う。

そういえば中学生のカバンはまったくこういう段取りにならないのはなぜだろう。

息子が使い終わった黒のランドセルは、だれもつかわなくなったら革だけはがして財布などに生まれ変わらせることができるらしい。ぼくが職場に使ってもいいのだけど、と提案すると「『ほんとうに変わった人なんだね』と思われるね」と妻が笑っていた。ほんとうに変わっているのだから仕方がない。