学習発表会

小学校の学習発表会。妻と見に行く。

長女は「たのしいあき」ということで、手作りの楽器をつくって、それで『パプリカ』を演奏。積極的に歌っていた。総じてそつがない。しっかりしてみえる。廊下にはってある入賞した写生会の絵も改めてみる。たしかにうまい。「はたらく車」について絵と文の学習ノートもあって、彼女だけ、アクソメのように三次元で描こうと挑戦している。発表が終わったあと、手招きするから近寄る。いつもならギュッと抱きしめるが、みんながいるからか、思いとどまっていた。かわりに手でタッチをした。

息子の写生の絵は変わらず平面的だ。ぼくはきらいじゃないが、奥行きや立体感を描くことが5年生にもなると求められるのだろう。賞をとったものはどれもそういうものだった。画力もこの学年になるとはっきり差が現れるのだな。一方で、写生のうまさけが画力では、ない。楽しさに溢れていたり、力強かったりも人の心を打つ。そういうのも救済できるように、保護者からの「パチパチ」も届けられるようになったらいいのにな。

息子の発表は里山の動物について。女の子が2人、男の子が3人。女の子チームは大きな模造紙に綺麗な写真と文字を丁寧にレイアウトして、指し棒でしっかり発表するのに対して、男組は紙芝居。息子は司会。進行棒読み。息子の紙芝居はシラサギとハクビシンの写真をそれぞれ画用紙に貼っただけ。手がかかっていない。一応丁寧に解説をしていた。最後に「感じたこと」を一人ひとり発言する。息子は最後。女の子は先に自分の日常生活に引き寄せて感じたことをいう。実にしっかりしていて大人びたコメント。息子は「シラサギとハクビシンのことが知れてよかったです。」小1か。

クラスの一番うしろには書道がはってあって、息子だけ名前の上の学年を「四年」とかいている。つっこむと「ほんとうに、まちがえてん」と笑う。マラソン大会の感想もあって、「順位が下がって悔しかったけど、最後は体力が限界だったし、しばらくして悔しくなくなった」とある。「全力がんばったことの大切さを学んだね」と先生のコメント。

5年生にもなるとキャラクターがはっきりしてくるものだ。なとなくマイペースなキャラで、あまり人前に出るタイプではないかんじがした。それもいいだろう。

それにしても、学習発表会はプレゼンの練習に全くなっていないし、逆効果だ。しっかりオーディエンスを引きつける「まくら」だったり、説明のわかりやすさだったり、質問や感想に対する返しのしかただったり、聴く側の気持ちになって「伝える」ことの工夫が皆無だ。自分の原稿づくりに終始している。たんたんと、そつなくやっているだけ。よく言えばNHKニュース的なのか。それではマズイ。聴衆も質問しないのが当たり前になっている。日本人のプレゼン能力の低さはここからきているのかもしれない。そこらへん、ちゃんと育成していかなきゃいけないとつくづく。

いよいよ息子の発表会もあと1回。いろいろ子どものこと、教育現場がわかっておもしろかった。