先回りの配慮

長女は夏の間はなれで寝るぼくと一緒に寝てくれる。ほかの家族はいつもの寝床。

はなれは窓を開ければ外で寝る開放感があって、この時期はそれを満喫したい。

寝る前、長女は絵本を持っていって一緒に読んだり、背中を踏んでくれる。

土間で履くスリッパのゴムが裏返しになっていたら直してくれたり、ぼくが眼鏡や鍵や携帯を探していたら「あそこにあったよ」と教えてくれたり、いいタイミングで持ってきてくれたり。水やりや草むしりも積極的に手伝ってくれる。

パパのことをよく見て、行動を読み、助けてくれる。先回りの配慮がとても心強い。もうすでに介護されている気分だ。ぼくが夜出かけるとき、寂しくて泣いてしまう。すぐに立ち直るらしいけど。トイレも洗面所も着替えも「一緒にきて」である。

やがてこの蜜月もなくなるのだろうが、この腕まくらで寝かしつける時間が、いまのぼくには生きがいだ。