顔とボール

和室で寝転がるぼくの横で、息子のバスケットボールをコロコロさせながら、「ね、このボールとわたしの顔、どっちが大きい?」と次女。

「ボールだよ」

「じゃ、パパの顔とは?」

「どっちが大きいかな、比べてみて」

「うーん、同じくらい」

流石にバスケットのボールの方が大きいと思っていたので、意外である。そんなにぼくの顔はでかいのか。

近くに長女の安全帽があって、そのボールに被せようとしている。当然、ぼくの顔くらいの大きさなので、帽子は小さくてちゃんとは被せられない。

「ねえなんで、黄色い帽子かぶるの?」

車がすぐに気づくなどの理由を教えてあげる。

「帽子かぶってないと、すぐにわからないの?」

「そうだよ」

バスケボールから安全帽を外して、なんだかわかったような顔をしていた。