夢で

昨夜の寝床で。次女が一番最初に就寝。ぼくが添い寝する。

「パパ、わたしが寝ても、上にいかないで、ずっとここにいてね。」

寝かしつけのときだけ、横にいるのはいやなのだ。起きた時に寂しい思いをしたことがあるのだろう。

「でも、パパお皿を洗わなきゃいけないんだ。」

「お皿、何枚?」

「20枚くらい。」

「20枚!一緒に行く。」

「それは大丈夫。寝な。朝起きて会おうね。」

「朝までパイバイ?」

「そうだね。」

「んじゃ、夢で会おう。」

夢で会おう。即座に次女はそういった。粋なことをここで言おうとか、そういう意図はない。率直にそんな、現実と夢との境をヒョイッとジャンプできる。子どもは詩人なのだ。その発想に嫉妬しつつ、たっぷり褒める。

やがて、スヤスヤと優しい寝息に変わって深い眠りの中へ。

 

翌朝。起きてもまだ眠たそうな彼女を抱っこしながら、「夢で会えたかな?」と訊くと、なにかを思い出したような顔をして「うん、会えたよ。」という答えが返ってきた。ほんとかどうかわからないけど、嬉しかった。