二人で登園

木曜日、金曜日と次女と保育園に歩いて登園。これからは二人だ。もう抱っこをして、ともいわない。一人でスタスタ歩いていくし、「もう道わかるよ」と心強い。

「ツクシって、ヤギさん食べるよ」

「イチゴって、一番すき。果物じゃないけどね。野菜。」

「椿、知ってる。ピンク色の椿、先生にあげたよ。」

とか、いろいろお話してくれる。

「抱っこ、しなくていい?」と聞くと、「いい」と断られる。

「でも、してほしくなったら、いっていいんだよ。」

 

金曜日は途中の公園でダッシュして、躓いて転んでしまった。泣いた。唇を少し切って血が出ている。

抱っこして、しばらくあやす。

遠くのカラスの鳴き声に注意をむけさせる。

「カラスさんも、大丈夫っていってるよ」

耳をすますために、泣かなくなる。

顔を上にむけて、遠くを見るついでに空に飛行機を見つける。

「飛行機の人も、大丈夫っていってるんじゃないかな」

「私の名前、知ってるのかな」

「知らないね」

自分の名前を見知らぬ他人は知らないはずだ、ひょんなことから、この意識が芽生えたことを知って、成長を実感する。他人の頭の中を想像しないとできないことだ。

大きな階段のところにくるとすっかり落ち着いて、「降りる」と自分で降りて昇りだした。重さでそろそろ腕がきつくなってきていた。

階段脇の桜が満開で、落ちている一輪を拾って手渡す。彼女の手に渡ったら、パラパラと崩れてしまった。

階段も軽々と上まで一人で昇りきってしまう。この生活を始めた3年前は、全部抱っこしてたのにな。

歩いていて気持ちのいい季節になった。これからは二人での登園。次女とじっくり話そう。気持ちが切り替わった。