石好き

こないだのスキー旅行中、ゲレンデから切り上げて、スキーを返して部屋に戻ろうとしたとき、息子の姿が見えず、どこに行ったのかわからなくなった。

ぼくはなんとなく、彼のことだからゲームコーナーか売店だろうと思って行ってみると案の定、売店の片隅に発見。

きれいな小さな石が何百個も大きな器に入っていて、それを凝視している。これはメノウだとか、聞き慣れない石の種類を口にして感激している。

側に空のガラス瓶が並んでいる。大きいのと小さいのがある。その瓶に詰め放題のようだ。

自分のお小遣いで買うことを提案する。「そうする。」

翌日のチェックアウトのとき、再び売店に行く。じっくり一つ一つどの石にするかを選んでいる。限られた容積に、丁寧に一つ一つ、好みのベストのラインナップを選定している。至福そうだ。横で見ていて、どれだけ時間があっても足りない。

友だち家族や妻と娘がいよいよ出発にむけて待っているので、ぼくは催促しなくてはいけない。自分のお金で買うわけだし、あまり急かすのはかわいそうだけど、迷惑もかけたくないので「あと1分」といって時間を限る。

「え〜」と不満を口にしながらなんとか選びきってお会計。ほんとは1時間くらいかけてやらせたかったな。見てみてといくつかを見せてくれる。嬉しそうだ。

家に戻った夜、宿題も終えて、その石たちを息子の石コレクションのボックス、洋菓子の紙箱を再利用したものに加える。既にもっている石を見返しながら、新しいメンバーと見比べながらブツブツ鑑賞してる。

直島でも安田侃とデマリアの大理石と花崗岩に魅せられていた。

我が子が興味があることを楽しんでいる様子をみるのはいいものだ。

ほんとうは22時を過ぎているから早く寝ろとこれまた催促しなくてはいけないのだけど、それは控えた。