かけこみリンゴ

長女と次女は夕食を終えてお風呂に入り、お風呂で歯を磨く。この流れが寝るまでに一番スムーズな流れ。

一昨日はデザートのリンゴをみんなに出すタイミングが遅れてしまい、一番で食べ終えた長女はもうお風呂に入る直前であった。リンゴをまだ食べていない。

お風呂からあがってリンゴを食べたのではお風呂で歯を磨けない。かといってリンゴを食べさせないもの可愛そうだなと浴槽につかりながら迷っていると、そのあたりを察して妻がリンゴを二切れ、お風呂にもってきた。長女が受け取る。実にいいパスである。

リンゴの二切れを受け取ると、長女は「はい」とぼくに一つを渡そうとしてくれる。

「いいよ、二つとも食べな」。目を細めながら気持ちだけ受け取る。

嬉しそうに湯気の中で頬張っている。

「リンゴをお風呂で食べてる人、初めて見たよ」とからかうと「うふふ」と笑っていた。