愛着

長女が公文で水色のプラスチックでできた教材ケースを手に入れてきた。ポイントでもらいたらしい。傷ひとつないピカピカである。うれしそうだ。

一方息子のは同じものとは思えないくらいくらい古びて年季が入っている。黒ずんで、踏まれてベコベコになり所々破れていて養生テープで補修されている。教材が外に飛び出さないか不安になるくらい隙間だらけ。6年使い続けているだけある。使い始めはまだ東京時代だ。

「新しいのに変えたら?」と妻。

「いやや、これでいい」と頑なにこれにこだわる。慣れているし使いやすいそうだ。

「きたねぇなぁ」と茶々を入れても満足そうだ。

道端に落ちていて拾われたら迷わず捨てられてしまうであろう、プラスチックなので皮のような深みはないが、まぁ自分オリジナルといっていい年の取り方はしてて、もう公文といえばこれ、という相棒のような愛着があるのだろう。毎日教材はここから出し入れされ、優に延べ5000枚を超える。たしかにわからなくもないし、ものに愛着をもって大事にすることはいいことだ。

長女のはどうなっていくかな。