椿の思い出

椿がこの季節は咲くのをこの歳になって知る。家の庭にも一本あって、落葉樹はすっかり枝だけになり冬支度をしている中、鮮やかな桃色がひときわ目立っている。雪の日は白に映えてさらに美しい。

お正月に次女と少し散歩したとき、公園にも大きな椿の生垣にあって、次女がおうちのみんなにみせたいというので一輪拝借する。前日もいたこと外に遊んだとき、同じことをしたのだけど、家にかえったときに玄関でおばあちゃんが寒さで赤くなった次女の手を温めようとすぐ握ると、掌の中で握りしめてた椿の花が崩れ、次女が大きな声で泣くというちょっとしたアクシデントがあった。

昨日そういうことあったよね、と話をしながら、その日はより丁寧に持って帰り、おばあちゃんたちに見せることができて満足気だった。

数年前の冬までこのダッフルコート、長女が着てた。長女とも同じような寒い冬に二人で散歩したな。あのときにもう次女が追いついてるかとおもうと、早すぎる時の流れに切なくなる。