お空の上

今日は結婚記念日で、長女と次女をお風呂にいれて「12年前に結婚したんだ」と話をする。

「そのときは、おにいちゃんも、子ども誰もいなかったなぁ。パパとママ、二人だけ。」

二人だけで暮らしていた日々。最初は、高田馬場の小さな1軒屋の2階と3階であった。子ども中心の今から思い返すと、二人でどんな話をしていたのだろう。スカスカな感じがするけど、そのときはそれはそれで充実していたのだろう。仕事にプライベートに、自分のため、二人のために時間とお金を使っていた。その後、日本橋浜町の賃貸マンションに引っ越した。そのときに、息子が生まれた。

「ぼくも、みんな空にそのときはいたの?」と次女。

「そうだね。」

「なんで、パパとママの子のところにきてくれたの?」

どんなこたえが返ってくるかな。

「お空の上、どうなっていたか、知りたい?」と意外な返し。

「うん」

「白い雲が、いっぱいあってね」

質問は完全にスルーであった。

いつものことだけど、娘二人には君たちはパパの天使で宝物でお姫様で、生まれてきてくれてありがとうという、もはや念仏のようになった一連の言葉を伝える。もはや言い過ぎてこの言葉の意味のありがたみはない。でもいいのである。

最近はパパのアイドルでモテモテで、というのも追加されるようになった。いろいろ彼女たちは兼務している。