大御所

「歌はあってるけど、踊りはそうじゃないね」(次女)

朝、長女がプリキュアの歌を大声で歌って、踊っている。実に生き生きしていて、楽しそうだ。すっかりなりきっていて、こちらも楽しくなる。

一人一人が変身するくだり。一番盛り上がるところで、トーストを食べながら次女がこういった。「ちがうよ、そうじゃない」と水を差している。大御所の舞台演出家然とした言い方。「かといって、どうしたらいいかまではやらない。」

長女は気にせず歌い続けているが、いたたまれなくなって次女に「お姉ちゃん、泣いてるよ」といったらお姉ちゃんの顔を眺めて、

「涙、出てねえだろ」

とこれまた大御所であった。