ひとりだとしおらしい

連休中はいとこのお姉ちゃんとお兄ちゃんの家族が祖父母の家に里帰りにきた。息子が祖父母の家に一緒に泊まるというと、長女は「お兄ちゃんずるい」とむくれる。そこで息子も長女も祖父母の家に一緒に厄介になることに。次女も「わたしも」というが、おばあちゃんがさすがに大変になるのでケーキで釣って、「パパとママを独り占めだね」と押し売りをして残す。

結局息子と長女は2泊したので、次女は二日間の「一人っ子」生活を楽しんだ。

最初はケーキよりソフトクリームがいいというので、カラオケに3人でいく。カラオケには食べ放題のソフトクリームあるから一石二鳥なのである。セカオワが好きで、頑張って歌う。ご本人登場のライブ映像を食いついてみる。最近のカラオケはしかも本人のライブの生歌まで入っていて、ライブ映像そのまま。歌わなくてもよい。びっくり。何をしにきたかわからなくなるが、他を探すとB'zとかもあって懐かしがりながら夫婦で盛り上がる。次女は「自分の知ってる曲にしろ、つまらない」とちゃんと主張するからときどきドラえもんとかを入れてお茶を濁す

次の日は3人で近くの温泉にいく。3人のとき、次女はワガママが極端に少ない。「わたしもアレしたいコレしたい」とか「わたしも褒めてほしかった」とか。普段、次女は常に兄や、特に姉の一挙手一投足を見て、それについていこうと必死なのだな。兄や姉と同じように振る舞ったり、もてなされたりしたい、でもまだ幼いから十分に同じことができなかったり、順番があるから自分が一番先にもてなされたりしない。だから悔しさや甘えがワガママという形になって現れる。そういうサイクル。

だけど一人っ子ならパパもママも最恵国待遇してくれるし、先をゆくベンチマークもないからプレッシャーもない。自分本位で世界が回る。だから何も主張する必要がないし。次女が自然と満たされているのがわかる。反面、いつもより家は静かだし、少し寂しいのかもしれない。ためしに「寂しい?」と訊くと「ぜんぜん。」と返ってきた。

とはいえ、従兄が帰って、兄と姉がきたらそれはそれで賑やかになり、一緒に遊び出して楽しそうだ。どっちか一方の状況がいいというわけでもなさそうだ。

それでもたまに一人っ子にしてあげるのはいいことのように思えた。5人で車にのってるとき「また独り占めしたいな」とつぶやいていた。