おばあちゃんの魔法

タイヤを交換して昼に家に戻ると、庭で寝ている息子がいる。息子が先になって家の前で待ちぼうけしていた。いい天気だから日向ぼっこかとおもったら、元気がない。どうもつらいらしい。「疲れた」とめずらしく口にする。「頭が痛い。」

逃走中とかいう走り回る遊びを友だちと散々したらしい。急に帰宅の道で頭が痛くなったそうだ。待ちぼうけの時間は辛かっただろう、かわいそうに。

熱を測ると38.5度ある。去年もインフルこの時期かかってたな。

腹は減っているらしいが食欲はない。「寝たい?、食べたい?」と尋ねたら「とりあえず寝る」というので着替えさせる。そのままの服がいいというが着替えた方が楽になると説得。よほどヘバっているのだろう、着替えるのにも時間がかかっている。布団に横にする。

しばらくは寝ていたが、頭が痛いためによく寝付けないようだ。起きてきて、うどんを少し口にして、やっぱり辛くてまたその場で寝転がる。

「頭痛い〜」と叫び続けている。インフルの検査は明日にならないとできないだろうけど、「病院行く?」と聞いたら「うん」というので連れていく。

抱っこするが、ほどんどがぼくの身体からはみ出ている。よいしょと尻をぼくの腰の上に持ち上げると身体が揺れて頭痛が激しくなるらしく、悲鳴をあげる。でもそうしないと安定しない。この1年でも10センチは伸びている。

 

病院では「風邪の早期」の診断。「最近インフルはあまりないですよ」とのこと。

解熱鎮痛剤が処方される。これで下がらなかったら明日また来い、とのこと。

車の中でも阿鼻叫喚。途中でクリームパンを買って食べさせて、錠剤を飲ませる。

家でまた寝かしつけても「頭痛い〜」が常套句になって繰り返し叫ぶ。無力なり。

横にとりあえずいって、頭をなでながら「昔、父ちゃんの母ちゃんがこういうとき、足を擦ってくれてたわ。そしたら楽になった」というと「んじゃ、やってみて」というのではじめたら、すぐに寝付いた。薬が効いてきたこともあるだろうけど、おばあちゃんの魔法は偉大だね。もっと早く気づいてしてあげればよかった。母よ、ありがとう。