名前が出てこない

昨夜のこと。息子が布団に入ってきて、「何してるの?」と訊く。「映画のこと、ちょっと調べてて」とiPhoneを見ている。映画、という言葉え思い出したのか、「コナンの映画のDVDを買っておくれ、こないだ登山で登頂したらご褒美くれるっていったでしょ」とおねだりされる。やがて寝付く。

ぼくはふと、昔みた映画のタイトルと助演の俳優の名前を思い出せなくなり、「あ〜あの俳優の名前なんだっけ」と顔は思い出せるのにすごく気になるという状況に陥っていた。名前がないと検索もできない。「名脇役 中年」とか画像検索をしてもなかなか出てこない。滝藤賢一とか荒川良々とかムロツヨシ遠藤憲一、佐藤なんとかばっかり出てくる。なんで真夜中にオッサンの画像をひたすらみなきゃいけないんだ。やめたくなる。でも気になって寝れない。いざ「俳優・タレント名鑑男性一覧」にいっても、いない。500人くらい見た。三國連太郎から染谷将太までカバーしているのに、いない。実にくだらない。人生の時間の浪費。しかしなぜいない。そこまでマイナーではないはずなのに。こういうときgoogleだって無力なんだな。共演者の名前もこういうときはど忘れしてしまい万事休す。

あきらめる。記憶を司る脳の緊張を弛緩させる。そしたら不思議なもので、自然と湧いてくるように女優の名前を先に思い出す。咲世子。そうしたら、あんなに苦労していたターゲットの名前もふわっと引き摺られるように出てきた。そう、平田満。映画「ソウル・フラワー・トレイン」。また見たいけど、DVDは出ていないようだ。

あーすっきり。単語って、頭の中に芋づる式に収納されているらしい。そして実にシャイである。ずるずるっと土の中から引き出したかんじ。