大事にしてあげたい

長女の掘って出した芋の絵が近くのJAの展覧会で入賞したそうだ。教室に飾ってあったときは、みんな同じような芋の絵がゴロゴロしていて、特に特徴は感じなかったけど、そこから差異を見つけて評価してくださった誰だかしらんが審査員の方おつかれさまです。
前にも書いた気がするけど、長女は「し」というひらがなを書道で書いて入賞したことがある。そのときの「し」は逆から書いたそうで、力強かった。今回の芋の絵も自由に大胆に描いたのだろう。
賞品にJAらしく「野菜の詰め合わせ」をもらえるとのこと。彼女が家族を食わしてくれる。実に頼もしくてうれしい。
日頃から彼女は絵をよく描く。ぼくの似顔絵も面白かったし、こないだは習いはじめたピアノの音階をひらがなで、音階よろしく「どれみふぁそらしど」と右肩下がりにひらがなで書いて、その下に楽譜のように横棒の線7本とその間に丸をいくつもランダムにかいていた。その間に小さな花を一輪。抽象画としてみてみると、そのレイアウトの美しさに鳥肌が立った。
小学校に入ると写生会のように写真のように描くことが良しとされる。そして誰しも同じような画風になっていく。かといって、デッサンの基本をきちんと教えているかというとそうでもない。単一の尺度で測られ、それで評価されないと自分は「絵が苦手だ」と思い込むことになる。長男はすでに苦手意識をもってしまっている。実にもったいない。写真のようにかけなくても、自分なりに「みたまんま」をまずは自由に描けばいい。気ままに手を動かすことは楽しいことなのだ。その「みたまんま」と描いたものがちょっと違うと悔しくなる。表現しきれていない何かをみつける。それが上達の第一歩。最初から巧く描こうと思うと苦しくなる。
まず手が動く。それはすばらしいこと。親が励まして、大事にしてあげなくては。

おめでとう。