七五三

そう今日は次女の七五三だった。先日選んだピンクの着物を来て、髪も編んでもらっていた。息子はズッコケを読みたいあまり、ゴキゲンナナメでなかなか外出の準備をしない。いよいよ家で留守番しているといいだしたが、着付けて帰ってきた次女をみて「かわいいだろ」というと「うん」とって「やっぱりいく」となる。

今日は次女が主役ね、と何気なくぼくがいうと、長女にはその言葉がいたく刺さったようだ。おじいちゃん、おばあちゃんの家に行って写真を撮るときも、今日は真ん中は次女だね、といいながら譲る。優しいお姉ちゃんだと関心していたが、どこか無理をしていたようで、その後七五三の飴を次女がもらったりしているのをみて自分の分がないのが気に食わなかったのだろう、表情がどんどん険しくなり、拗ね始めてワガママになる。写真でもなかなかカメラを見ず、しかめっ面になる。長女も2年前主役になっていたんだよ、と諭しても納得するほどオトナでもない。

次女はそんな長女の複雑な心中を察することができるわけなく、お構い無しで主役を楽しんでおる。七五三を参った神社は奈良時代が始まりのやたらと由緒がある神社で、碁盤から飛び降りる儀式がある。平安時代から続いているそうだ。次女、ひとりでとべるかな、と案じる矢先、喜々として飛び降りてご満悦。赤い絨毯まで飛ぼうとおもっていたけど届かなかったよ、と少し悔しそうだった。

注目が次女に集まっているのも気に食わなかったのか、長女はまたふてくされつづけている。それが帰りの車で神社でもらった風船で兄妹でもめ、ラーメン屋でもらった風船でも兄妹でまたもめることにつながった。やたら風船をもらい、それが火種になった。

次女が着物から普段着に変わったところで、ぼくも意識を変えて「次女主役の日」から普段どおりにシフトして、長女をいつものようにかわいがることにした。なるべく長女がいうことを聞いてあげたくて、「お月見したい」と以前いっていたのを思い出し、「いつになったらお月見するの?」と車中から月をみつけていうので、叶えてあげることにした。花火をしながら、長女はいつもの元気な声をあげて月夜の庭を走っていた。今宵の月は本当に明るい。お風呂に入れながら、次女に「きょうはおめでとう」というと長女の顔がまた曇るので、次は長女の7歳が二年後にあるね、という。「二年後って何?」と訊かれる。