世界の王

車内でテレビをつけていると、カンボジアの少年少女が横浜に来ていろんな世界の子どもたちと寝食を共にしながら野球をやったという特集を見る。カンボジアは春に息子といった。息子も食いついて視る。グローブやボールがプレゼントされて嬉しそうだ。

会長は王貞治だそうで、インタビューを受けている。息子が「え、この人、王様なん?!」とびっくりしている。「いや、王さんだ」といかにこのオッサンが偉大な選手だったかを説明する。といってもぼくもリアルタイムで知ってるわけでもない。ホームランの世界記録を持っている、持っていた?人ということで日本野球界の伝説の人なのだというと「だから王っていう名前になったの?」と話は振り出しに戻る。

テレビの中で一人の少女が選手宣誓をしていてクメール語なのだけど、最後に「オークン(ありがとう)」といって締めたので、「あ、『オークン』っていったな」と盛り上がる。旅行中よく口にした言葉だ。一気にカンボジアのことが二人の頭に蘇る。

ひろしまハウスの子どもたち、サッカーうまくなっているかな。」

「まあ友廣さんがコーチなんやから、そりゃ巧くなってるだろう。」

「また会って試合したいな」

息子にとって思い出深い旅になっているようでうれしい。

いい旅だった。また、行きたい。