ひとり映画

「この世界の片隅で」を観てきた。小さな劇場に、平日だから?おじ(い)さん、おば(あ)さんで満席。火がついてる作品ってこうなるんだな。
戦争のときの呉が舞台で、主婦の目線。主夫をしているせいもあって、目線がかわっている自分がいる。水道もガスもない。スゲーな昔の家事のレベル。すみれ、なずななど草を摘んで食べるシーンに興味しんしんになる。

主人公のきょうだい構成は我が家とおなじなので、主人公よりその親に目が行く。脇役だけど、親たちは何があっても動じずに穏やかで、優しい。悟っている感がすごい。その土台としての安心感が通底しているのが、このストーリーの素晴らしさを際立たせている気がした。親が取り乱したら、カッチャカチャになって収拾がつかなくなる。こんな泰然自若な親になれたらいいな。

「ものがないなかで、なんとかするのが私達の戦いだから」という言葉が印象的だった。

雪のせいで家族イベントは中止。長男はいつものようにテニス教室。親たちが見守るギャラリーのガラス越しにラケットを自由に振り回している。ボレーの練習が始まったみたい。