イヤイヤ期は、ぬいぐるみ期のはじまり

今週は冷えると天気予報はいっている。今朝の朝はさむくて、なかなか布団からでられなかった。家族五人なのに、これまで掛け布団がなぜか二つしかなくて、このままだと甚大な被害がでると予想したのだろう、こないだ妻が追加で一つ買ってきた。とても温かい。

天候は荒れている模様。妻が先におきて息子と一緒に出ていった。いってらっしゃいと同時に長女と次女が起きる。上の食卓に抱っこで連れていき、椅子に座らせて、ご飯と温めた味噌汁を出す。寝間着のまま、ふたりともバクバク食べておかわりまでした。納豆とアボカドを追加で出す。アボカドを一つの皿出だしたらとりあっていたので、半分ずつに分けてやる。長女がお茶がほしいというと、次女も立て続けに同じ言葉を繰り返す。

次女は最近、自分の半分くらいの白雪姫の人形(「雪ちゃん」と呼んでいる)を離さない。顔が大きい3頭身のやつ。けっこうパーツはリアルで、長女は「この髪の毛、ヒトの髪ねんよ」といっている。

食事中は邪魔なので遠くへよけると、すぐに取締られて、自分の椅子の横に戻して座らせろという。長女はCDをかけて音楽を流したいという。そんな悠長にやってる時間的な余裕はないけど、どうぞというとCDを選んでいる。次女がアナ雪のCDにしてと主張する。長女は童謡のCDがいいらしく、意見が割れた。さあどうしよと考えていると、長女はCDは童謡のをかけるけど、妹にはアナ雪のCDのブックレットを持っていってあげるという懐柔策を選択。やらせてみたら、たしかにうまくいってる。「この曲知ってる/知らない」と一曲ずついいあっている。

そろそろ保育園の時間だからと着替えて、お弁当をカバンにいれて、今日のタオルを持ってと繰り返す。けど、いっこうにしゃべったりしてご飯も進んでいない。父の言葉は基本スルーされる宿命。

でも長女が動かなければ次女も動こうとしないから、長女をなんとか動かす。

保育園への連絡帳を書いて、次女の体温を測る。体温計の先を脇の下にいれると冷たいからなのか、最近次女がいやがってジタバタして手こずる。体温が図れるまで5分くらいかかる。病院にある瞬時に図れるやつがほしい、けど、高そうだしズルズルこの数十年前と同じスペックのものを使い続けている。

先に長女が階段を降りて、準備しているところに抱っこして次女を連れて行く。抱っこのときも雪ちゃんは離さない。長女はまだ靴下を履いていない。ストーブの前でぬくぬくやっている。早く靴下はけ〜というとちょっと、待ってね〜とのんびり。そうこうしている間に保育園の時間が迫る。

ゴミの日なのでゴミを準備している間に、次女に着替えるから服を持っておいで、といってみると、収納の自分の棚を開けるところまではできたけど、ひっぱり出しすぎて全部でてしまい、棚が落ちる。次女はひっくり返る。後頭部を打ったと泣く。なだめる。「大丈夫?」というより「痛かったね〜」といったほうが泣き止むのが早いケースがあって、今日はその場合のよう。同調は王道だね。「痛かったね〜」というと頷くので、その流れで「だからズボンはこうか」、「だから保育園行こっか」というと不思議と一連の流れになって頷いてくれる。「痛かったね、だから保育園行こうか」とは我ながら支離滅裂だ。でもここでは因果の正しさは必要ない。同調していることが伝われば事はスムーズに運ぶのだから、それでいい。

オムツを替えて、服を着せて、靴下とコートを履かせて、準備が整ったと思ったらまだ長女は靴下を履いてない。おい!いい加減はきなされ、とせっついて焦らせて、ようやく長女は靴下を履こうとする。次女に靴を履かせていたら「雪ちゃんにも靴を履かせろ」と言い出す。3センチくらいの裸足。たしかに黄色い靴はいてたけど、どこに今その靴があるのかしらない。長女に聞いたら「はなれの部屋にある」というけど、今からわざわざはなれに行くのはさすがに時間のロスが大きいから、「そりゃむりだ〜」といいつつ抱っこで車に乗せる。泣くかなと思ったけど、泣かなくてホッとする。

車では次女が歩道脇に「まだ雪があちこちに残ってるね」と教えてくれる。長女は「◯◯ちゃんが、なんたらかんたらで〜」といつものようにそれぞれの友達の四方山話をレポートしてくる。おしゃべり好き。

保育園について車から二人を降ろすときも、次女は当然のように雪ちゃんをもっていくという。保育園はおもちゃの持ち込みはNG。月曜日はお別れ時にやむなくママが取ったために、しばらく泣いてしたらしい。デジャブー。「教室入ったら、お別れしなきゃだからね」と念を押してもっていく。

入ったらお遊戯室で次女のクラスのお友達たちが遊んでいて、先生が次女を見つけると「おいでおいで」と手招きしてくれる。それに興味が引かれたおかげでスムーズに白雪姫をそっと胸から抜き取る。成功して気持ちがよい。

遊戯室の奥にある長女の教室に行って「お願いします」という。長女になると全部自分でやるので、楽だなぁ。また遊戯室に戻り、次女に手をふる。次女は平均台みたいなやつにまたがって進む遊具の順番待ち。バイバイをしてくれる。そのとき、雪ちゃんを思い出すと大変だから、見えないように隠す。

 

朝は、イヤイヤ期の次女が泣くかなかないかで登園時間が随分変わる。泣いたら落ち着くまで全部がダメになって停滞する。どうやったら涙腺が破裂しないか、長女を利用したり、気をそらしたり、いなす技術が求められる。ぼくのようなオトナは言葉で説得をしようとしてしまうけど、あれは基本的に効率がわるいし、対立は涙を生むので逆効果。次女の中にある、自分で色々すすめたい能動性、やりたいという力を、うま〜く導きたい方向にどうむけられるかが勝負で、それが出来たときが一番早い。柔術のような。けど、こればっかりは3人目になっても、なかなかうまくならないもんですな。上の子のときどうしてたか忘れちゃうし。うまく行った日に限って、どたんばでトイレ行く〜というし。多分この技術を得たら、オトナ社会に対しても応用が効く気がする。自分の意見を主張するよりも、むしろ相手に自身の意見かのように同じことを言わせることのほうがむずかしいし、交渉は上手くいくように。

 

保育園を出る時、先生から、次女を抱っこして「手つめたいね〜」といってるのが聞こえる。「どんだけ家、寒いんだよ」と想像されてそうで少し恥ずかしい。ずっと白雪姫だっこしてたもんなぁ。温かいものを飲ませたり、気にする余裕がある朝にしたい。

 

今日はずっと雨やらミゾレやらアラレが変わりばんこに降っている。夜になると雪になりそうだ。夕食は鍋にしよ。スーパーにいって、これからお迎え。