「いってくる」(息子)
いつからか思い出せなくて、もう当たり前になってしまったけど、息子が学校へ出ていくとき、「行ってくる」という挨拶をして玄関のドアを開ける。「行ってきます」ではない。別に突っ込まないが、どこで覚えてきたのだろう。ぼくも言わないし。そこだけ昭和の家長の堂々たる体である。妻が今朝、息子の去ったあと話題にして、ランドセルがその言葉を使うギャップに笑っていた。昨日なくして怒られていじけていた水筒、みつかるかな。
「いってくる」(息子)
いつからか思い出せなくて、もう当たり前になってしまったけど、息子が学校へ出ていくとき、「行ってくる」という挨拶をして玄関のドアを開ける。「行ってきます」ではない。別に突っ込まないが、どこで覚えてきたのだろう。ぼくも言わないし。そこだけ昭和の家長の堂々たる体である。妻が今朝、息子の去ったあと話題にして、ランドセルがその言葉を使うギャップに笑っていた。昨日なくして怒られていじけていた水筒、みつかるかな。
「駐車場のねこがあくびしてるやつにして」(長女)
夕食時、音楽をかけていたら、その曲にしてと言われた。運動会で流れていたのは担任の先生が好きな『栄光の架け橋』。なのですぐにピンときた。そういわれて、いい歌詞だなと気づく。
ちなみに、長女の組体操のときのBGMは"Sugar baby love"(The bubettes)であった。想像したことがない組み合わせだったけど、緊張感と感傷を一緒に運ぶ、実にセンスのいい選曲だと感じ入った。駐車場の猫をかけた後、この曲をかけたら、身体が反応して組体操を再現しはじめた。Sugarとbabyとloveの意味をついでに教える。
月曜の朝、長男の学校が開始時間が遅れるというので、長男は昨晩祖父母の家に1人で泊ることになった。そのため、ぼくが寝る時、背中に乗って足でゴリゴリとほぐすマッサージしてもらえなくなる。
ぼくの背中は一日の終り、そのほぐしを楽しみにしている。もうそれをめがけて凝るようになってしまった。だから、非常に困る。コチコチのままでは寝付きが悪い。もはや中毒症状、どちからというと、健康にわるい。けどやめられない。
そこで長女にお願いするけど「えぇ〜、足つかれる、寝たい」とごねられる。仕方ないから妻にお願いする。妻は不平をいう。無理やり両膝小僧で背中を押すようにお願いするが、バランスが難しくうまくいかない。かといって全体重で踏みつけられると背骨が折れる。それをみて、「私がやる」と長女が妻をどける。やっとその気になったかと長女に期待するも、5秒ほどでやめてしまう。妻は解放されたとせいせいして自分の布団にもう入っている。再度お願いするが、「私はもう寝ます」と受付終了。やはりこれを積極的にやってくれるのは息子だけなのだ。もっとも、息子も1回100円の仕事だからやっている。
今日息子が帰ってきた。背中が喜んでいる。年中くらいからやっているから、このマッサージを初めてもう約5年になる。10月5日にジャンプが発売になるから、貯めたお金でそれを買うのが楽しみらしい。
息子はどんどん重たくなっているので、先がみえている。後継者を育てなくてはいけないのだが、その兆しは見えない。
今日は、ついにきてしまった、保育園の運動会。長女は最後。ぼくは保育園の運動会以上に心を動かされるイベントを他にしらない。ただひたむき、がんばっているピュアな姿があって、かわいいけど、頼もしい。
なので、楽しみだったけど、1:9の割合で、この日が来てほしくなかった。もう見れないとおもうと寂しいから。雨で、屋根のあるグラウンドになった。
精一杯、刮目した。いっぱい写真を撮った。
長女の組体操と旗はかわいいというより、凛々しかった。次女はフリフリをつけたももいろクローバーZの曲にのった踊りで、かわいいが9、りりしさが1。
出し物が終わったあと、年長さんだけ全員リレーがあった。
「これで、最後だよ」と担任の先生。いままで練習で何度もやってきたのだろう。
走り終わって結果発表。1位、2位のチームは「イェーイ」と立ち上がって大喜びするけど、だんだんその声が小さくなって、5位のチームになると発表してもだれも声をあげない。先生が機転を聞かせた。
「もう1回いいですか。」
泣きの1回。それで長女のチームは5位から2位になれて、笑顔が戻った。
担任の先生が終わってから本部にマイクを返すとき「すみません」と謝っていた。進行を妨げたことのお詫びだろう。でも、先生らしい、優しさが溢れたアドリブだった。
終わったあと、先生に感謝の言葉を伝えようといろいろ言葉が浮かんでくるけど、どれも口にすると涙が溢れるので、ただ握手して抱きしめて、「ありがとう」だけいった。
終わってしまった。満たされたけど、空っぽになっている。
長女あと、表現会と卒園式しかないじゃないか。
「たしかに」(長女)
朝食のとき、「まず自分のことを『かわいい』と思ってね」と娘たちに言って聞かせていると、「パパは自分のこと、『かっこいい』と思う?」と長女。
流れとしては、「思ってるよ」と力強くいいたいところだけど、「思ってないな」と矛盾したことをいう。思うほうがどうかしている。
「なんで?」
意外な応えだったのだろう。
「お兄ちゃんのほうが、かっこいいでしょ」
と逃げた。
「たしかに」と長女からすぐ返事が返ってくる。
「パパ、ハゲだもんね」と少し間があって次女。
「お兄ちゃん、ひょっこりはんみたいだもんね」と長女。
すっかり納得したかんじで、場は落ち着いた。
しかし、ぼくは坊主であるが、まだハゲだとは思っていない。でもそれは口にしても仕方がないから、言葉を飲み込む。ひょっこりはんって、かっこいいのかな。
「まずかったけど、がんばって食べたよ!」(次女)
カレーのルーがひとかけらしかなくて、なんとかいろいろ味をつけて仕上げた妻。褒められたくて胸をはってこう発言。ちなみに長女も箸が進まず、お姉ちゃんの分も食べてあげたんだ、と誇らしげだった。ぼくが食べたら、いつもと変わらず美味しかったけどな。息子も朝、カレーの残り食べたいとモグモグ食べていた。